土曜日, 3月 18, 2006

多摩丘陵散歩;穴澤天神から稲城の丘陵を縦走し若葉台へ

壊滅的に気力を失った稲城丘陵越えの敗者復活戦。どこからはじめるか、少々迷った。先回挫折の稲城駅から、とも思ったが、稲田堤から小沢城址を歩いたとき、うっかり行き忘れた穴沢天神が気になっていた。で、結局は京王読売ランド駅で下車。リベンジ散歩を始める。


本日のルート;京王読売ランド駅>穴澤八幡>威光寺>弁天洞窟>読売ゴルフ倶楽部>日本山妙法寺>稲城駅>鶴川街道>(坂浜)>駒沢学園入口>高勝寺通り>高勝寺>東京よみうりカントリークラブ>平尾浄水場>平尾・坂浜境界尾根道>京王若葉台駅

京王読売ランド駅

結構素朴な駅。遊園地への入口というからにはもう少々はなやかな雰囲気とは思った。が、ローカル色一杯の駅である。周辺の町並みは平屋が多い。駅前の案内で天神さんをチェック。京王線に沿って東に戻る。
道なりに進んでいると神社への登り口。坂道をのんびり進む。あとでわかったのだが、登り口はいくつかある。三沢川沿いの鳥居から石段を登るのがメーンエントランス、かも。ともあれ神社に。

穴沢天神
境 内にはいかにも天満宮といった拝殿と神明造りの本殿。近辺にある洞窟というか横穴墓がその名の由来か、阿那臣(アナノオミ)之祖といわれる天押帯日子命(アメオシタラシヒコノミコト)をお祀りしているのがその名の由来か、定かには知らねども、天押帯日子命(アメオシタラシヒコノミコト)って小野臣の祖ともいうし、小野一族って小野田の小野神社に祀られているように多摩に覇を唱えてた、ともいうし、なんとなく阿那臣がアナザワ神社の由来では、とひとり解釈で大いに納得。


弁天社御神水
境内を離れる。弁天社御神水の案内。石段を下りる。ポリタンクに名水を入れる多くの人たち。どんなもんか飲んでみたいとは思ったのだが、順番待ちをするのもなんだかな、ということで、横の弁天様の洞窟にひょいと足を踏み入れ、そしてお宮を離れる。

弁天洞窟

弁天洞窟のある威光寺に向う。読売ランド駅の西より、丘陵を越える車道を登る。この道は、先日稲田堤から歩き、寿福寺、そして細山地区の香林寺に行く途中で交差した丘陵越えの道。
すこし上ると威光寺。お寺そのものは、さりたることもなし。弁天洞窟に。この洞窟、もとは横穴墓。明治に入って石仏を祀るために拡張したもの。(「この地図の作成にあたっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用した。(承認番号 平21業使、第275号)」)

中にはいると、二匹大蛇の彫り物や、23体の石仏が祀ってある。十五童子の石仏は、もとは穴澤天神の弁天社に安置されていたものという。洞窟内は明かりな ど、なにもなし。拝観料300円を払って、蝋燭と蝋燭立てのセットを渡され明かりをとる。洞窟は全長65メートル・広さ660平方メートル。横浜市栄区の「田谷の洞窟」には規模で少々劣るものの、それでも関東屈指の胎内巡りの洞窟ではありましょう。

峠道を登る
威光寺を離れ、峠道を登る。途中、日向ぼっこのおじいさんに、「稲城に向う尾根道はありますか」と。峠近くまで登り、そこから日本山妙法寺に向かう脇道に入れば行けるとのこと。
車の往来の激しい峠道とは別に、バイパス、といっても直登ルートを歩き、お寺への案内を目印に脇に入る。


日本山妙法寺
道なりに進む。左手はゴルフ場・よみうりゴルフ倶楽部。フェンスに沿って進む。日本山妙法寺に。お寺さん、って感じがしない。いわゆる新興宗教っぽい雰囲気もあるのだが、そういった団体のもつ安っぽさは感じられない。とはいうものの、仏舎利塔にしても本堂にしても、日本風なのかインド風なのか、という感じ。 こんないい場所、こんな広い敷地をもてるなんて、一体全体どんなお寺さん、か。調べてみた。
藤井日達師がはじめた宗派。黄色いインド風の僧衣をまとい、団扇太鼓で「南無妙法蓮華経」と唱えながら歩いている人たちがこの宗派。藤井日達師といえば世界の平和運動に貢献された方として有名。

尾根を成り行きで西に向かう
本堂脇の雑木林に入る。すぐに行き止まり。もとのゴルフ場脇の道に戻り、先に歩を進める。しばらくはフェンスに沿って歩く。が、フェンスから離れてくる。はてさてどこに連れてゆかれるものやら。

道 なりに進む。畑地に。なんとなく先回歩いた畑地のような気もする。少々悪い予感。が、なんとか先に続く道。いくつか分岐もあった。右にも左にも折れることなく、イメージを頼りに西に向う。どうせなら尾根道を進みできる限り西に下り、少々オーバーではあるが尾根道縦走を試みる。

しばし歩く。と、谷戸を隔てて西に別の尾根が見える。なんとなく駒沢女子大・短大のある丘陵ではないか、と。もう一筋南に進んでおれば、とは思うも、後の祭り。道は次第に下りに。しばし進むと里山というか麓の畑地に。更に下る。広がり感のある眺めが心地よい。

百村地区

低地に線路。京王相模原線だろう、か。川筋が。三沢川だろう、か。右前方に高架。武蔵野貨物線にちがいない。ここは百村にちがいない。
先回向陽台から下ったほとんど同じあたりに下りてきた。百村地区。ひと尾根北ではあったけれど、ほぼ縦走、したと言えないこともない。

鶴川街道・駒沢学園入口交差点
少々満足し、京王線をくぐり鶴川街道にそって流れる三沢川脇の遊歩道に。坂浜地区に進む。東橋で鶴川街道と交差。車の往来の多い鶴川街道を登る。駒沢学園入口交差点に。車の排気ガスもうざったい。

高勝寺
眺めると、京王相模原線の東に、線路に沿っての上り道。高勝寺通り。少々きつい坂を登る。坂の途中に高勝寺。品のあるお寺さん。真言宗の古刹。カヤの大木が保存されている。ケヤキ一本つくりの聖観音像が有名。有名という所以はそれが平安時代の作であろう、ということ。平安時代にすでに仏像をつくり寺院をつくる勢力がこの地にいた、ということだ。

坂浜上水局交差点を黒川方面に

お寺を出て先に進む。長い峠道。進むと天神通りと合流。道筋に天満神社があるからだろう。道路左手はゴルフ場・東京よみうりCC。更に進み、坂浜上水局の交差点に。道なりに下れば平尾、金程をへて新百合丘。以前歩いた道と繋がる。はてさてどうしよう。先に進むか、右に曲がるか、左に曲がるか。
結局右に折れ、尾根道をひたすら黒川方面から若葉台へのルートを選ぶ。理由は、新百合ヶ丘で小田急に乗るより、若葉台で京王に乗るほうが家路への段取りがいい、と思った次第。

学園通り

右折し道を進む。学園通りと呼ばれている。稲城二中とか日大のグランドがあったり、若葉総合高校が道筋にあるから、だろう、か。稲城二中からブラスバンドの曲が流れる。青春であるなあ、と、心躍る。
日 大商学部稲城総合グランド脇に。見晴らしすこぶる良し。素敵な眺め。この坂浜地区は坂と丘陵のまち・稲城の中でも特に豊かに広がる景観が魅力的な地区。三沢川・鶴川街道を隔ててみえる、長峰地区の団地群、多摩カントリークラブの丘陵地の広がり感も心地よい。このあたり、鐙原(あぶみがはら)とか鐙野(あぶみの)の峰とも。

鐙原の峰
『古くより世に武蔵鐙と称するものあり、此処に遷されたる高麗人の造るところと云。【盛衰記】に、畠山 重忠小坪合戦の時、武蔵鐙を用ゆと云。。。(新編武蔵風土記稿・高麗郡総説)』、と。1180年、神奈川・逗子の小坪坂で行われた畠山重忠と三浦一族との合戦の時、重忠が乗った馬のあぶみに「武蔵鐙」が使われていたとする。坂浜で発見されている鍛冶工房址も9世紀前半のものではないか、と言われている。
坂浜村;「小沢郷諸岡庄府中領と唱う。橘樹、都筑両郡の界に接す。村名の文字はいま「坂」の字を書きてサガと唱う。正字に書くときは嵯峨浜なり。鄙野の方言にて坂をサガと唱うることあり。嵯峨と坂を誤れることにぞ。又、一説に、ここに古え武蔵鐙を作りしもの住せし地ありともいえり。武蔵鐙は高麗人が作りはじめしといえば、按ずるにその鐙師の先祖高麗人の名などよりはじまりて村名に伝えしにやと伝うれども、信用なりがたし」。

鐙野;村の小名なり。伝云 ここは往古鐙作りの住せし地なるゆえ、名に唱うと。さすれば、古えの名産なる武蔵鐙と称せしものならん。その鐙師の祖は高麗国より帰化せしものの子孫なり。又云武蔵鐙は五六鐙のことにて、その製軽くして軍用に便りよきゆえ用いられたる製作なり。いつの頃より始まれるということも詳かならねど、或説云光仁天皇宝亀十一年(七八○)勅して、諸国にて造れる年料の鉄甲胃はみな革を以て造り前例の如く上貢せよ。革の製は躬をつつみて軽便なり。箭にあたりて貫きがたし。その製作もなし易しと

のことを以て、諸国へ命じ給いし頃、鉄鐙もまた軽きを用いられし勘より高麗人の工夫を以て作り出せしものならんといえり」、と。高麗郡と密接な関係がある伝承でもあり、日高・高麗の地に高麗郡をつくる以前の高麗人が住んでいたのは、このあたりだったのだろうか。想像が拡がる。

京王若葉台駅
道なりに進めば若葉総合高校前を通り若葉台駅に至る。が、左に雑木林。あの林の向こうは黒川方面。以前歩いたときは日が暮れて真っ暗。歩道もなく車に惹かれそうになりながら越えた、あの黒川って、どんな
ところか見たくなった。
で、 雑木林方面に。畑地が。進む。行き止まり。少し戻る。なんとなく先に続く雰囲気の道筋。雑木林に入る。次第にブッシュ。どんどん進む。左手は畑地が広がる。イメージとしては、丘陵から黒川が眺められると思ったのだけれども少々期待はずれ。が、里山の景色はなかなかいい。ゆったりと道をくだる。京王線の高架下をくぐり、線路にそって西に。三沢川を越え、京王若葉台駅に到着。本日の予定終了。坂浜の里山は結構よかった。

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