日曜日, 8月 25, 2013

四国山地一の谷沢遡上;寒風山と笹ヶ峰の谷を下る桑瀬川支流の一の谷を遡る


四国山地一の谷沢遡上;寒風山と笹ヶ峰の谷を下る桑瀬川支流の一の谷を遡る 夏休みのとある週末、還暦を越えた兄弟3人揃っての沢のぼり。山行、沢遡上の経験豊富な弟ふたりとは異なり、古道歩きの成り行きで峠越えのために山に上り、酷暑の町歩きを避けるための沢遡上といった、「何ちゃって」山行人・沢上リストの私ではあるので、ほどほどの沢を、ということで愛媛の面河渓谷でも、ということになっていた。が、結局は愛媛県西条市から寒風山トンネルを抜け、高知県いの市の寒風山と笹ヶ峰の間の谷を下る吉野川水系桑瀬川の支谷 である一の谷となった。

一の谷に決まった経緯は、弟の山仲間が予定日前日に弟のHPの掲示板にレポした一の谷沢上りのレポート見て、結構面白そうな沢とフックがかかった、から。面河渓谷のピチピチ・チャプチャップ・ランランランから一転、滝あり淵あり、どうみても藪漕ぎ必至の大滝の高巻きなど、結構それなりの沢上りとなった。この沢は四国在住の弟も初めてのようではあるが、何せほとんど毎週山に入っている猛者ではあるので、藪漕ぎで道に迷ってもそれなりに林道へと「土地勘」で連れて行ってくれるだろうと、安心して兄弟3人一路一の谷屁と向かった。

本日のルート;寒風山トンネル>寒風山隧道に上る旧道>林道・寒風山大座礼西線林道に入る>一の谷橋付近に一台デポ>寒風山トンネル出口付近まで旧道を戻る>「一の谷やかた」近くに一台駐車>「一の谷やかた」脇に一台駐車>入渓>広い川原>深い淵と滝>軽い薮漕ぎで沢に復帰>浅瀬を進む>次第に岩場>V字谷>這い上がると両岸にせり出した岩場>岩場の端の小滝を越える>幅が広くなる>小滝と浅瀬>大きな滝で滝の左岸を高巻き>一度尾根に上る=西の山稜が広がる>急斜面を沢に復帰>倒木の多い岩場>岩場>滑床>大岩>淵と左端に滝=シャワークライム>左右が岩場の浅瀬>浅瀬と小滝>倒木を乗り越え>大岩ゴロゴロ>浅瀬と小滝>大岩>2m滝>大きな滝>滝の右岸を高巻き=岩場まで上り>急斜面を薮漕ぎで沢に復帰>広い浅瀬>大岩の両側に数段ある小滝>大岩の左右から数段ある滝=シャワークライム>浅瀬と岩場の繰り返し>滑床>岩場>淵と小滝>淵と左端に小滝=シャワークライム>淵と小滝>淵と小滝>高い滝>巨大な滝>滝の左岸を高巻き>巨大な岩盤が延々と続きや藪漕ぎ>岩盤が切れる辺りで尾根道へ>林道を確認しトラバースで藪漕ぎし尾根道に>林道

寒風山トンネル
実家の新居浜市から国道11号を西に西条市へと2台の車で向かう。一台は長崎の弟の車、一台は高松の弟の車。到着地点まで2台で走り、一台を到着地点近くに置き、あとの一台で出発地点まで戻る。着替えやトレッキングシューズを到着地点にデポした車に置けるので沢上りの荷物が減り結構楽になる。
国道11号を加茂川に架かる加茂川橋交差点を南に折れ国道194号を進む。いくつかの短いトンネルを抜け14キロほど進むと寒風山トンネル。全長5432m。トンネル内に愛媛県西条市と高知県いの市の境があるこのトンネルは昭和53年(1978)の工事着手から平成11年(1999)の一般供用の開始まで、21年の歳月をかけて建設したもの。
この寒風山トンネルが出来る前にも、愛媛の西条から高知の「いの」に通じる道はあった。とはいうものの、愛媛と高知の両県の境界部分、標高1120mの山塊を945mにわたって穿った寒風山隧道(昭和39年(1964)年に開通)に通じる道は、愛媛・高知両県とも急な斜面の険路であり、また隧道自体も狭いものであったので、とても気楽に県境を越えるといったものではなかった。実際、この隧道ルートを通って高知に抜けたことは一度もなかった。(「この地図の作成にあたっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用した。(承認番号 平24業使、第709号)」)

一の谷橋
寒風山トンネルを快適に通り抜ける。一直線で思わずスピードが出てしまうのか、トンネル内の退避スペースには白バイが違反者を待ち構えていた。寒風山トンネルを出るとすぐ折り返して「寒風山隧道」に通じる旧道を上る。ヘアピンカーブの連続を寒風山隧道のすぐ近くまで上ると右に折れる林道がある。この「林道・寒風山大座礼西線」に入る。ダートの路面に四駆は苦労しないが、二駆はパンクを注意しながら注意深く進み「一の谷」に架かる「一の谷橋」近くに駐車。デポ用の車に着替え等を車に納め、あと一台の車で入渓地点である旧道入口部近くの「一の谷やかた」脇の駐車場に戻る。

入渓
「一の谷やかた」と看板のある店脇の駐車場で入渓準備。駐車場脇から沢にはいると広い岩の滑床。さあ出発、といった時に、なんでもない岩場でスリップ&大転倒。足首を捻る。少々痛みが残るが、ここで引き返したら洒落にならないので、痛みの足をカバーしながら歩き始める。

淵と3m級の滝
ほどなく穏やかな深い淵と3m級の滝。美しい。しかし淵と滝に遮られ川筋を先に進めそうにない。スタート早々に滝の右岸を高巻き。川筋に沿って道があるわけでもなく早速に藪漕ぎの洗礼となるがすぐに沢に復帰。





大岩に挟まれた浅瀬
大岩に挟まれた浅瀬を進む。浅瀬の足元は細石が川床に埋まる。足元が細石に適度に埋まり、誠に気持ちがいい。

V字の岩場
先にV字の岩場。左右の岩を手で押さえ体を支え足掛かりを探す。また、片方は腕、もう一方は脚で支えるといった姿勢でV字の岩場の端に進む。

両岸に迫り出した岩場
V字の岩場の端をよじ上ると、その先にも両岸に迫り出した岩場。岩場の端に小滝がある。

大滝
両岸に狭い谷筋に高い岩場といったゴルジュが現れる。その先に大きな滝が現れる。ここは乗り越えることは難しそう。しばし滝のシャワーを楽しみ高巻きのポイントを探し、左岸を高巻きすることにする。




高巻き①_午前10時20分
滝の左岸を高巻き。崖にルートを探し、トップを高松の弟が這い上がり、ロープで確保し崖上に。滝の高巻きへのルートを探し大きく迂回すると、一旦尾根道に出る。一の谷の東の谷筋を隔てて四国山地の山稜が一望のもと。そこから谷に向けて、滝を越える地点に向かって急な斜面を下る。



沢に復帰
無事沢に復帰。大岩と倒木がゴロゴロ。大岩の間の浅瀬を進む。岩の滑床を越し、岩場の小滝を這い上り進むと滝と淵に出合う。

3m級の滝と淵
淵の右岸の浅瀬を歩き、滝を這い上る。這い上った先の大岩の滑滝の中を歩いて進むと再び滝と淵が現れる。

5m級の数段の滝と淵
淵の左端に数段ある滝が下る。右岸の岩場を進み、滝の中央をシャワークライム。弟二人は滝のど真ん中を果敢に攻めるが、私はほどほどのシャワーを浴びるだけで十分。
広い浅瀬と小滝
左右が岩場の浅瀬を進むと、広い浅瀬と小滝に出合う。この浅瀬も細石が足元で心地よい。

倒木
小滝を上り先に進み岩の左右に別れる小滝を上ると、その先は倒木がゴロゴロ。倒木を乗り越えたり、潜ったり、普段使わない筋肉が活躍する。大岩に挟まれた浅瀬を進むと広い浅瀬と小滝に出合う。

3m級滝
浅瀬の小滝を上り、滑床、大岩に挟まれた浅瀬を進み岩場を下る小滝を這い上がり、3m級の滝をクリアすると大滝が現れる。

大滝
10mほどはあるだろうか。滝壺に入りシャワーを浴びる弟ふたり。私は写真班で十分。大滝の前でちょっと休憩。休憩の後で高巻きのルートを探す。

大滝左岸を高巻き②_午前11時39分
左岸の岩場にルートを見つけ這い上がる。ガレ場に注意しながら大きく高巻きし急斜面を薮漕ぎで下り大滝をクリア。大岩と浅瀬の滝上に出る。

3m級の滑滝
浅瀬を進み、大岩がゴロゴロの岩場を進み、浅瀬の先に大岩の上を幾流にも別れた3m級の滑滝が現れる。


2段5m級の滝
大岩の岩場を進むと淵と大岩の左右から2段5m級の滝が岩を滑める。シャワークライムで滝を上る。









滑床


滝を上ると岩場と浅瀬の繰り返し。ほどなく小規模ではあるが滑床に。岩を這って流れる水が心地よい。

淵と滝
先に進むと淵があり、その先に小滝。

淵と滝
その先にも淵があり、淵の左端に3m級の滑滝。

2m級の滝
岩場を進むと淵がありその先に滝。淵の中央部に2m級の滝。滝をクリアし先に進む。












大滝
両岸が迫る岩場を進み2m級の滝を上ると少し傾斜のある10m級の大滝。トップの長崎の弟が這い上がるが、その先に途方もなく大きな滝がある、とのレポート。残りの二人は10m級滝手前から高巻きするルートを探す。








高巻き③_13時
滝の左岸の岩場にルートを見つけ、上からトップがロープを下す。途中の崖端ではスリップ・滑落を注意し、念のためロープをハーネスに固定し崖上に這い上がる。高松の弟がルートを探しがてら巨大な滝まで下りるが、私はのんびり崖場で休憩。

藪漕ぎ・林道へ_午後14時11分
滝を高巻きすべく藪漕ぎで上へと這い上がる。が、そこには巨大な岩盤が行く手を遮る。岩盤の切れ目を求めて岩盤裾を進む。いくら進んでもなかなか岩盤が切れない。誠に巨大な岩壁である。
分ほど岩壁に沿って進み、岩壁の高みが徐々に低くなり、尾根筋に。この辺りの山を歩き倒している高松の弟が尾根筋から林道を確認。再び藪漕ぎで沢筋方向へと進み、抵当な所で尾根筋に這い上がり林道に出る。

弟のHPにレポした方はこの滝の右岸を高巻し、藪漕ぎの結果、登山道に出たようであり、そこから林道へと、戻ったとのこと。そのレポでオンコースは左岸高巻ではないか、とあったが左岸の高巻はできない。右岸を高巻きし、適当なところから藪漕ぎしながら沢に下るしかないようである。

デポ地点到着_午後14時45分
巨大な岩盤のためもあって、一の谷の沢筋から相当東に引っ張られていたようだ。林道・寒風山大座礼西をデポ地点へと。林道を進むと谷筋があった。一の谷の支谷だろう、か。一の谷橋を渡りデポ地点の車に到着し、本日の一の谷沢遡上を終える。

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